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人と自然のあわいの
場所で撮る

上映&トーク

内山直樹 ✕ 松井至

『炭焼き』(内山直樹)

『和紙』(松井至)

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古来、人は森羅万象を読み解き、そこから幸をとり出してきた。森羅万象に近づき、自分の命と対等の場所で動物や木や菌と出会い、生かしたり生かされたり、殺したり殺されたりしながら、手を動かして自然を変化させ、多くのモノを生み出してきた。こうした森羅万象と人との「あわい」の場所に近づいていく人を、職人と呼びたい。 職人の体はモノを作りながら限りなく道具に近づいていく。 炭焼きの鼻、蒅職人の皮膚、和紙職人の手、黒酢職人の目は、それぞれの器官がモノの製造過程の対象の変化に応じて独自に発達し、人と自然が関係を結んだことの証となる。この職人の身体の在り方は言語によらない実践で受け継がれてきた。雪国の木が雪の重みで枝を落とし幹を変形させるのと同じように、職人の体は自然に制御されながら変形する。この身体は歴史的なものであり、数百年(あるいはもっと)の時間軸を持つ。 今、あらゆるジャンルの伝統的な産業が痩せ細り、こうした言語化できない継承はほとんど絶滅の危機に瀕している。今、職人の在り方を映像にして取り出すことはこれまで語りようがなかった職人から職人への継承を未来に向かって外在化させることである。一個の職人の身体から歴史を遡り、何千何万という無名の職人の生の気配にまで辿り着くことはできないだろうか?一個の職人の身体が自然と関係し、どんなふうにその「あわい」の場所に立っているか、自分もそこに立ってみることはできないだろうか?

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